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「電力会社たたき」乗じて改革に踏み切る政府の姿勢に疑問

産経新聞 4月15日(水)9時00分配信
【ビジネスアイコラム】
 発送電分離などを盛り込んだ電力システム改革方針が閣議決定された。電力の小売市場を全面的に自由化して新規参入を促し、発送電分離で電力会社による地域独占を崩して電気料金の引き下げを目指すという。
 だが、この電力システム改革で本当に料金は下がるのだろうか。そして安定的な電力供給に支障は出ないのか。経済産業省は料金引き下げ効果などを示していない。自民党の議論でも多くの疑問は解消されないままだった。
 原子力発電所の再稼働が進まない中で、発電コストが急増している電力会社の料金値上げが相次いでいる。
 もし本当に料金の引き下げを目指すなら、まずは原発再稼働を優先すべきだ。電力供給が不足する中で自由化に踏み切れば、かえって料金が跳ね上がる恐れも指摘されている。
電力業界と経産省はこの15年にわたって、発送電分離をめぐる攻防を繰り広げてきた。今回の電力システム改革も同省が温めてきたシナリオそのものだ。国民の間で高まった電力会社への不信感を背景に、改革を押し切ろうとする経産省の意図が透けてみえる。
 規制緩和で民間活力を引き出し、健全な競争を通じて経済を活性化させることは成長戦略の要だ。地域独占に安住してきた電力会社にサービス業としての姿勢が足りなかったのも事実。電力業界には利用者の視点に立った意識改革が問われているのは間違いない。
 だが、電力システム改革では、営業地域をまたいで電力需給を調整する中立機関を創設するほか、発電や送配電など事業会社ごとに免許を受ける仕組みだ。これらはすべて経産省の権限強化につながる。その一方で具体的な電気料金の引き下げ効果は示されていない。いったい誰のための改革なのか。
 電力は国民の生活と産業を支える基盤だ。それを具体的な効果や自由化に伴う影響などの検証もないまま、「電力会社たたき」の風潮に乗じて改革に踏み切ろうとする政府の姿勢には疑問が残る。もっと徹底した検証が欠かせない。
 実際、先進国の中で先駆けて発送電分離に踏み切った英国では、電気料金が上昇したばかりでなく、その変動幅も大きくなっている。米カリフォルニア州での大規模停電は、分離された発電会社と送配電会社の連携不足と送電線に対する設備投資不足が原因とされている。
 太陽光や風力など再生可能エネルギーの導入が進むドイツでは、そうした電源と電力消費地を結ぶ送電線網の建設が大幅に遅れている。すでに再生可能エネで電気料金が上昇しており、これ以上の設備投資でさらなる値上げを招くと、利用者の反発が避けられないからだ。
 安倍晋三政権は原発の再稼働を3年以内に判断するとしている。今後の電源構成が不透明ないま、将来の電力市場の姿を決めることが適切なのか。慎重な制度設計を改めて求めたい。(産経新聞論説委員 井伊重之)

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